非腫瘍性大腸疾患のX線診断に関する研究

活動性の非腫瘍性大腸疾患における初回注腸X線検査の診断と, 追加検査あるいは経過観察によってえられた確定診断を比較検討し, 各疾患の特徴を明らかにしX線診断能を向上させることを本研究の目的とした.対象は1977年10月から1986年12月までに経験した活動性の非腫瘍性大腸疾患157例で, 初回の注腸X線検査により70.7% (111/157) 確定診断ができた. さらに, 内視鏡検査の併用により88.5% (139/157), 注腸X線検査による経過観察・小腸造影・便培養, 外科的切除よる病理学的検討より最終的に97.5% (153/157) 確定診断できた.確定診断に基づき初回のX線所見を見...

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Published in順天堂医学 Vol. 36; no. 1; pp. 73 - 79
Main Author 山田, 聰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 1990
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.36.73

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Summary:活動性の非腫瘍性大腸疾患における初回注腸X線検査の診断と, 追加検査あるいは経過観察によってえられた確定診断を比較検討し, 各疾患の特徴を明らかにしX線診断能を向上させることを本研究の目的とした.対象は1977年10月から1986年12月までに経験した活動性の非腫瘍性大腸疾患157例で, 初回の注腸X線検査により70.7% (111/157) 確定診断ができた. さらに, 内視鏡検査の併用により88.5% (139/157), 注腸X線検査による経過観察・小腸造影・便培養, 外科的切除よる病理学的検討より最終的に97.5% (153/157) 確定診断できた.確定診断に基づき初回のX線所見を見直し, 病変の分布からびまん性・連続性, びまん性・区域性, 散在性・広汎性, 散在性・限局性に分類した. 特殊なものとして, 病変の形態から線状潰瘍を呈するものは縦走潰瘍と輪状潰瘍, 隆起性所見を呈するものは直腸型と盲腸型に別に分類した. 以上の分類により, 各疾患のX線所見の特徴はより明らかになり, X線所見を再検討すると注腸X線検査による診断能は85.4%に向上し, この分類はX線診断能の向上に有用であった.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.36.73