S状結腸癌肝転移に対するパニツムマブ投与中に発症した腸管嚢腫様気腫症の1例
症例は52歳,男性.同時性肝・肺転移を伴う閉塞性S状結腸癌に対してS状結腸切除術を施行した.術後にmFOLFOX6+Pmabを8コース施行した.効果判定の胸腹部CT検査で,上行結腸から横行結腸の気腫状変化と腹腔内遊離ガス,後腹膜ガス,縦隔気腫を認め,腸管嚢腫様気腫症と診断した.全身状態は良好であり,腹部症状も認めなかったため保存的治療を開始した.気腫状変化は次第に改善し,第11病日に軽快退院した.第31病日にmFOLFOX6を再開し,その後,腸管嚢腫様気腫症の再燃はなかった.近年,ヒト上皮成長因子受容体抗体であるセツキシマブが原因で発症した腸管嚢腫様気腫症の報告が散見されるが,パニツムマブが原...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 5; pp. 1055 - 1060 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2018
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.79.1055 | 
Cover
| Summary: | 症例は52歳,男性.同時性肝・肺転移を伴う閉塞性S状結腸癌に対してS状結腸切除術を施行した.術後にmFOLFOX6+Pmabを8コース施行した.効果判定の胸腹部CT検査で,上行結腸から横行結腸の気腫状変化と腹腔内遊離ガス,後腹膜ガス,縦隔気腫を認め,腸管嚢腫様気腫症と診断した.全身状態は良好であり,腹部症状も認めなかったため保存的治療を開始した.気腫状変化は次第に改善し,第11病日に軽快退院した.第31病日にmFOLFOX6を再開し,その後,腸管嚢腫様気腫症の再燃はなかった.近年,ヒト上皮成長因子受容体抗体であるセツキシマブが原因で発症した腸管嚢腫様気腫症の報告が散見されるが,パニツムマブが原因とされる報告は少ない.パニツムマブ投与中に腸管嚢腫様気腫症を発症した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する. | 
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.79.1055 |