Screw-in leadを用いた長期心房ペーシング洞機能不全症候群の電気生理学的研究
目的: 心房ペーシングの有効性にもかかわらず, 洞機能不全症候群 (SSS) での試みは少ない. 長期の心房ペーシング下の心房の電気生理学的特性の変化の有無より心房ペーシングの有用性を検討する.対象: 1980年より1995年12月まで, 順天堂大学医学部附属病院 (以下, 当院) で, 恒久型心房刺激型 (AAI) ペースメーカーを植え込んだ心房ペーシング洞機能不全症候群64例, 心室刺激型 (VVI) ペースメーカーを植え込んだ心室ペーシング洞機能不全症候群69例. 心房パラメータの経時的な変化の比較対照として心房心室順次ペーシングを行った房室ブロック109症例を用いた. 方法: 心房ペー...
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Published in | 順天堂医学 Vol. 46; no. 1; pp. 62 - 70 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
順天堂医学会
2000
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Subjects | |
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ISSN | 0022-6769 2188-2134 |
DOI | 10.14789/pjmj.46.62 |
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Summary: | 目的: 心房ペーシングの有効性にもかかわらず, 洞機能不全症候群 (SSS) での試みは少ない. 長期の心房ペーシング下の心房の電気生理学的特性の変化の有無より心房ペーシングの有用性を検討する.対象: 1980年より1995年12月まで, 順天堂大学医学部附属病院 (以下, 当院) で, 恒久型心房刺激型 (AAI) ペースメーカーを植え込んだ心房ペーシング洞機能不全症候群64例, 心室刺激型 (VVI) ペースメーカーを植え込んだ心室ペーシング洞機能不全症候群69例. 心房パラメータの経時的な変化の比較対照として心房心室順次ペーシングを行った房室ブロック109症例を用いた. 方法: 心房ペーシング洞機能不全症候群64例の長期予後を, 心室ペーシングを行った洞機能不全症候群69例とを比較. 心房ペーシングを行った洞機能不全症候群症例での植え込み時および経過中の心房電位および刺激閾値を, 心房心室順次ペーシング下の房室ブロック109症例のそれらと比較し, 洞不全症候群の心房筋の長期安定性について検討した. また, 慢性心房細動の合併比率を比較した.結果: 心房ペーシング洞機能不全症候群で高度房室ブロックに進展した症例はなく, 心房刺激閾値および心房電位の経過も房室ブロック群との差異はなかった. ペーシング方式により心房細動発生頻度に差が認められた.結論: 低い心房細動への進展率, 良好な心房電位および良好な刺激閾値が保たれることより, 洞機能不全症候群での心房ペーシングは安全かつ信頼度の高い治療法と結論される. |
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ISSN: | 0022-6769 2188-2134 |
DOI: | 10.14789/pjmj.46.62 |