胸部慢性解離性大動脈瘤に対して全弓部置換術およびオープンステントグラフト挿入後,下行大動脈破裂を来した1例
症例は41歳の男性.急性A型大動脈解離に対する初回手術として大動脈基部置換術を施行し,術後8カ月目に慢性解離性大動脈瘤に対して2回目手術(全弓部置換術+frozen elephant trunk(FET))を行ったところ,FET末梢端が位置する下行大動脈に新たなintimal tearを生じた.その後,再手術から3カ月後に下行大動脈破裂に至り,3回目手術(緊急下行大動脈置換術)を要した.FETを併用した全弓部置換術は有用な手段であるが,慢性解離性大動脈瘤に対して使用する際は,その施行時期,FET留置の位置やサイジングなどに注意する必要があると考えられた.文献的考察を加えて報告する....
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| Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 77 - 81 |
|---|---|
| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.01.2019
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI | 10.4326/jjcvs.48.77 |
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| Summary: | 症例は41歳の男性.急性A型大動脈解離に対する初回手術として大動脈基部置換術を施行し,術後8カ月目に慢性解離性大動脈瘤に対して2回目手術(全弓部置換術+frozen elephant trunk(FET))を行ったところ,FET末梢端が位置する下行大動脈に新たなintimal tearを生じた.その後,再手術から3カ月後に下行大動脈破裂に至り,3回目手術(緊急下行大動脈置換術)を要した.FETを併用した全弓部置換術は有用な手段であるが,慢性解離性大動脈瘤に対して使用する際は,その施行時期,FET留置の位置やサイジングなどに注意する必要があると考えられた.文献的考察を加えて報告する. |
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| ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
| DOI: | 10.4326/jjcvs.48.77 |