熊本県下 8 医療施設で 1 年間に分離された MRSA を除く主要耐性菌の動向調査

2009 年 5 月から 2010 年 4 月までの 1 年間に熊本県下 8 施設の総合病院で分離された MRSA を除く耐性菌である,Extended-spectrum β-lactamase(以下 ESBL)産生 Escherichia coli,ESBL-Klebsiella spp.,ESBL-Proteus mirabilis,Two-drugs resistant Pseudomonas aeruginosa(カルバペネム系,新キノロン系またはアミノグリコシド系に対する 2 剤耐性緑膿菌,以下 2 剤耐性緑膿菌),3 剤耐性 Pseudomonas aeruginosa(以下 MD...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 87; no. 6; pp. 732 - 738
Main Authors 永田, 邦昭, 木下, まり, 森口, 美琴, 前田, ひとみ, 正木, 孝幸, 磯崎, 将博, 大隈, 雅紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.11.2013
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi.87.732

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Summary:2009 年 5 月から 2010 年 4 月までの 1 年間に熊本県下 8 施設の総合病院で分離された MRSA を除く耐性菌である,Extended-spectrum β-lactamase(以下 ESBL)産生 Escherichia coli,ESBL-Klebsiella spp.,ESBL-Proteus mirabilis,Two-drugs resistant Pseudomonas aeruginosa(カルバペネム系,新キノロン系またはアミノグリコシド系に対する 2 剤耐性緑膿菌,以下 2 剤耐性緑膿菌),3 剤耐性 Pseudomonas aeruginosa(以下 MDRP),Multi Drug Resistant Acinetobacter baumannii(以下 MDRA)ならびに Vancomycin Resistant Enterococci(以下 VRE)の 7 菌種を調査対象菌として,各施設の分離菌株数または分離率を検討した. 8 施設で分離された菌種で最も多かったものは ESBL-E. coli で,次は 2 剤耐性緑膿菌であった.しかし,7 菌種とも分離菌株数または分離率に顕著な増加傾向は認められず,逆に,2 剤耐性緑膿菌は減少傾向を示したことから,今回の対象施設における感染管理は機能しているものと考えられた. ESBL-Klebsiella spp.と 2 剤耐性緑膿菌の分離数には施設間差がみられ,菌種によっては他院から転院直後の患者からの耐性菌分離により持ち込み感染も示唆されたことから,地域間におけるサーベイランスは更に必要となるものと考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi.87.732