統合失調症における作動記憶障害の認知機能訓練の効果

統合失調症患者の認知障害の基本に、ワーキングメモリ(作動記憶)の障害があることが指摘されており、その回復が認知機能ばかりでなく、統合失調症の多くの障害の改善に関わっているとされている。そこで、入院および外来通院中の統合失調症患者(28 名(破瓜型13名、妄想型15名))を対象として、認知機能回復を目的とした課題を用いた訓練を施行させ、病型によるその効果の差異を検討した。その結果、両群ともに課題の正答率および反応時間に改善がみられ、とくに妄想型では破瓜型と比較し効果が顕著であった。この結果は認知機能回復訓練の有用性を示すとともに、統合失調症の認知障害の様態は病型により異なることを示唆するものであ...

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Published in認知神経科学 Vol. 15; no. 3; pp. 215 - 221
Main Authors 鬼頭, 伸輔, 木原, 潮, 投石, 保広, 古賀, 良彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 認知神経科学会 2014
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ISSN1344-4298
1884-510X
DOI10.11253/ninchishinkeikagaku.15.215

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Summary:統合失調症患者の認知障害の基本に、ワーキングメモリ(作動記憶)の障害があることが指摘されており、その回復が認知機能ばかりでなく、統合失調症の多くの障害の改善に関わっているとされている。そこで、入院および外来通院中の統合失調症患者(28 名(破瓜型13名、妄想型15名))を対象として、認知機能回復を目的とした課題を用いた訓練を施行させ、病型によるその効果の差異を検討した。その結果、両群ともに課題の正答率および反応時間に改善がみられ、とくに妄想型では破瓜型と比較し効果が顕著であった。この結果は認知機能回復訓練の有用性を示すとともに、統合失調症の認知障害の様態は病型により異なることを示唆するものである。
ISSN:1344-4298
1884-510X
DOI:10.11253/ninchishinkeikagaku.15.215