がん患者における緩和ケア開始時期の認識と関連要因

【目的】本研究の目的は,がん患者の緩和ケア開始時期の認識と関連要因を明らかにすることである.【方法】がん診療連携拠点病院に入院・通院中のがん患者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.個人属性,がん・治療状況,緩和ケア開始時期の認識,緩和ケアの認知や提供状況を調査し,ロジスティック回帰分析を行った.【結果】3,622名のうち1,981名(54.7%)の回答を得た.1,187名(59.9%)が早期から,414名(20.9%)が終末期からの緩和ケアの認識であった.症状への対応あり(vs.該当,OR=0.56),再発・転移あり(vs.,OR=1.44),40代以下(vs.70代以上,OR=1.67)...

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Published inPalliative Care Research Vol. 16; no. 1; pp. 35 - 43
Main Authors 師岡, 友紀, 竹井, 友理, 山本, 瀬奈, 南口, 陽子, 畠山, 明子, 辰巳, 有紀子, 荒尾, 晴惠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2021
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.16.35

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Summary:【目的】本研究の目的は,がん患者の緩和ケア開始時期の認識と関連要因を明らかにすることである.【方法】がん診療連携拠点病院に入院・通院中のがん患者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.個人属性,がん・治療状況,緩和ケア開始時期の認識,緩和ケアの認知や提供状況を調査し,ロジスティック回帰分析を行った.【結果】3,622名のうち1,981名(54.7%)の回答を得た.1,187名(59.9%)が早期から,414名(20.9%)が終末期からの緩和ケアの認識であった.症状への対応あり(vs.該当,OR=0.56),再発・転移あり(vs.,OR=1.44),40代以下(vs.70代以上,OR=1.67)は終末期からの緩和ケアの認識と有意に関係した.【考察】症状への対応が必要となる前から緩和ケアの普及啓発を行うことが早期からの緩和ケアの認識を促進する可能性がある.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.16.35