福島市におけるスギ花粉飛散予測モデルの改良
スギ花粉症は今や国民病と言われる季節性の疾患であり,セルフケアやメディカルケアのためには,スギ花粉の飛散予測が重要である。我々は,過去20年間のスギ花粉の飛散に関するデータおよび気象データにより飛散開始日と総飛散数を予測するモデルを作成し,2021年に報告した。一方,スギ人工林の林齢や構成,保全・管理など森林環境の変化や,地球規模での気候変動の影響などから,過去20年間余のデータに基づく予測よりも,最近の10年間のデータに基づく予測の精度が高いのでは,と考え検証した。過去20年間余の旧モデルと最近10年間の新モデルを用いて,飛散開始日を予測したところ,2011年から2020年までの10年間の予...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌 Vol. 2; no. 4; pp. 179 - 183 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
    
        2022
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 2435-7952 | 
| DOI | 10.24805/jiaio.2.4_179 | 
Cover
| Summary: | スギ花粉症は今や国民病と言われる季節性の疾患であり,セルフケアやメディカルケアのためには,スギ花粉の飛散予測が重要である。我々は,過去20年間のスギ花粉の飛散に関するデータおよび気象データにより飛散開始日と総飛散数を予測するモデルを作成し,2021年に報告した。一方,スギ人工林の林齢や構成,保全・管理など森林環境の変化や,地球規模での気候変動の影響などから,過去20年間余のデータに基づく予測よりも,最近の10年間のデータに基づく予測の精度が高いのでは,と考え検証した。過去20年間余の旧モデルと最近10年間の新モデルを用いて,飛散開始日を予測したところ,2011年から2020年までの10年間の予測日と実測日の誤差の平均は,それぞれ2.40日と2.00日であった。総飛散数の予測でも,過去20年間余の旧モデルと最近10年間の新モデルでの2012年から2022年の11年間における予測総飛散数と実測総飛散数の間の相関係数はそれぞれ0.922,0.962であった。飛散開始日の予測,総飛散数の予測のいずれにおいても,最近10年間のデータに基づくモデルの方が優れており,モデルは定期的に見直す必要があると考えられた。 | 
|---|---|
| ISSN: | 2435-7952 | 
| DOI: | 10.24805/jiaio.2.4_179 |