PFAPA症候群における手術適応基準の検討
目的と方法:当院で加療した小児PFAPA症候群41例において,手術群18例と非手術群23例の長期予後を比較した。さらに性差,扁桃肥大,アデノイド増殖,発症時期のそれぞれの因子が予後に影響するかを検討した。結果:手術群は非手術群と比較し罹病期間を約3年7ヵ月短縮させていた。発症時期が2歳以上の例においては,非手術群と比較し罹病期間の短縮が4年5ヵ月と最も顕著であった。考察:PFAPA症候群の手術適応について,発症年齢が2歳以上か否かは手術適応を判断するうえで一つの基準になり得ると考えられた。PFAPA症候群の口蓋扁桃については,正常な口蓋扁桃と比較し組織学的な差異や微生物叢の違いが報告されており...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌 Vol. 4; no. 2; pp. 55 - 60 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
2024
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Subjects | |
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ISSN | 2435-7952 |
DOI | 10.24805/jiaio.4.2_55 |
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Summary: | 目的と方法:当院で加療した小児PFAPA症候群41例において,手術群18例と非手術群23例の長期予後を比較した。さらに性差,扁桃肥大,アデノイド増殖,発症時期のそれぞれの因子が予後に影響するかを検討した。結果:手術群は非手術群と比較し罹病期間を約3年7ヵ月短縮させていた。発症時期が2歳以上の例においては,非手術群と比較し罹病期間の短縮が4年5ヵ月と最も顕著であった。考察:PFAPA症候群の手術適応について,発症年齢が2歳以上か否かは手術適応を判断するうえで一つの基準になり得ると考えられた。PFAPA症候群の口蓋扁桃については,正常な口蓋扁桃と比較し組織学的な差異や微生物叢の違いが報告されており,年齢を評価軸としてこのような検討をさらに進めることが,PFAPA症候群の発作誘発因子や発症機序の解明につながる可能性がある。 |
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ISSN: | 2435-7952 |
DOI: | 10.24805/jiaio.4.2_55 |