輸血医療への薬剤師の関与について 日赤薬剤師会会員所属施設へのアンケート調査

輸血のチーム医療は,安全で適正な輸血医療に重要であると考えられており,医療従事者である薬剤師もその役割が期待されている.日赤薬剤師会会員が所属する施設の薬剤部門に対し,薬剤師の輸血医療に対する関与の状況や,タスクシフトへの考えを明らかとする目的でアンケート調査を行った.対象となった施設内で,専任の薬剤師は配置されていないものの,多くの施設で血漿分画製剤の管理を中心に輸血への関与が認められた.病棟薬剤師の配置は認められるが,輸血医療への関与は少なく,他剤との相互作用や疑義照会などを実施している施設は限定的であった.タスクシフトでは,疑義照会や有害事象/副作用関連への積極的な回答が得られたが,直接...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 69; no. 6; pp. 658 - 666
Main Authors 大坪, 正道, 佐々木, 大, 竹林, 恒平, 河村, 朋子, 中村, 定生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.12.2023
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.69.658

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Summary:輸血のチーム医療は,安全で適正な輸血医療に重要であると考えられており,医療従事者である薬剤師もその役割が期待されている.日赤薬剤師会会員が所属する施設の薬剤部門に対し,薬剤師の輸血医療に対する関与の状況や,タスクシフトへの考えを明らかとする目的でアンケート調査を行った.対象となった施設内で,専任の薬剤師は配置されていないものの,多くの施設で血漿分画製剤の管理を中心に輸血への関与が認められた.病棟薬剤師の配置は認められるが,輸血医療への関与は少なく,他剤との相互作用や疑義照会などを実施している施設は限定的であった.タスクシフトでは,疑義照会や有害事象/副作用関連への積極的な回答が得られたが,直接的な患者への接触となる行為については消極的な回答だった.有害事象確認や疑義照会,併用薬との相互作用確認などへの薬剤師の積極的な関与により,安全で適正な輸血が向上すると考えられた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.69.658