頭頸部癌化学放射線療法における重篤な有害事象発症の予測因子としての GNRI の有効性について

• Published in: 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 126; no. 12; pp. 1355 - 1357
• Main Authors: 井伊, 里恵子, 中村, 雅俊, 宮本, 秀高, 廣瀬, 由紀, 松本, 信, 大西, かよ子, 中山, 雅博, 田渕, 経司, 西村, 文吾, 和田, 哲郎, 足立, 将大, 田中, 秀峰
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.12.2023; 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
• ISSN: 2436-5793; 2436-5866
• DOI: 10.3950/jibiinkotokeibu.126.12_1355

「はじめに」: Geriatric Nutritional Risk Index(GNRI)は, GNRI=(14.89×血清アルブミン(g/dL))+41.7×(現体重(kg)/標準体重(kg))にて算出できる簡便かつ有用な栄養指標である. GNRIは頭頸部癌を含め, さまざまな固形癌の予後予測因子として報告されているが, 頭頸部癌に対するシスプラチン併用化学放射線療法における有害事象発症とGNRIの関連性に関して検討した報告はない. 今回, われわれはシスプラチン併用化学放射線療法における有害事象発症予測因子としての治療前GNRIの有用性について検討した. 「対象と方法」: 2014年5月～2019年11月の間に当院で未治療頭頸部扁平上皮癌に対してシスプラチン併用化学放射線療法を行った82例を対象とした. GNRIは栄養リスクなし(GNRI≧98), 軽度栄養リスク(92≦GNRI<98), 中等度栄養リスク(82≦GNRI<92), 重度栄養リスク(GNRI<82)に分類されるが, 本研究では治療直前の血液検査および身体測定にてGNRIを算出し, 先行研究に基づく98をカットオフ値とした.