左胃静脈奇静脈シャント整復後に食道裂孔ヘルニアを起こした犬の 2 例
1 歳 3 カ月のトイプードルと 3 歳 11 カ月のミニチュア・ダックスフンドが,高アンモニア血症や肝酵素上昇を呈し,先天性門脈体循環シャントの疑いで来院した。各種検査より左胃静脈から奇静脈へ短絡する先天性門脈奇静脈シャントと診断した。2 症例共に胃噴門部付近でシャント血管を分離し,完全結紮術を実施した。術後の経過は良好であったが,手術から約 3 カ月後に頻回嘔吐と元気消失にて来院し,傍食道裂孔ヘルニアを発症していた。3 カ月前のシャント血管を結紮した部位の噴門部左側の横隔膜部位にヘルニア孔を認め,このことから門脈奇静脈シャントの症例では,シャント血管分離に伴う食道裂孔の併発に注意が必要であ...
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| Published in | 動物臨床医学 Vol. 33; no. 1; pp. 12 - 15 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
動物臨床医学会
25.03.2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 1344-6991 1881-1574 |
| DOI | 10.11252/dobutsurinshoigaku.33.12 |
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| Summary: | 1 歳 3 カ月のトイプードルと 3 歳 11 カ月のミニチュア・ダックスフンドが,高アンモニア血症や肝酵素上昇を呈し,先天性門脈体循環シャントの疑いで来院した。各種検査より左胃静脈から奇静脈へ短絡する先天性門脈奇静脈シャントと診断した。2 症例共に胃噴門部付近でシャント血管を分離し,完全結紮術を実施した。術後の経過は良好であったが,手術から約 3 カ月後に頻回嘔吐と元気消失にて来院し,傍食道裂孔ヘルニアを発症していた。3 カ月前のシャント血管を結紮した部位の噴門部左側の横隔膜部位にヘルニア孔を認め,このことから門脈奇静脈シャントの症例では,シャント血管分離に伴う食道裂孔の併発に注意が必要であると思われた。2 症例ともに傍食道裂孔ヘルニア整復後の経過は良好であった。 |
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| ISSN: | 1344-6991 1881-1574 |
| DOI: | 10.11252/dobutsurinshoigaku.33.12 |