主成分分析を用いたHSDの次元縮約

メラノーマは悪性黒色腫とも呼ばれる表在性腫瘍の一種である。近年欧米で患者数が急増しており、予防や治療に対する社会的な関心が高い。また、皮膚がんによる死亡の8割がメラノーマによるものであり予後が悪いがんとして知られている。メラノーマはメラニンを生成する細胞であるメラノサイトが悪性化したものであり、腫瘍の厚さが1mm厚くなるごとに5年生存率が約2割低下する。一方で、早期メラノーマは完治できる可能性が高く、早期発見が重要である。現在は、医師が目視で診断しており、より高精度かつ定量的な診断が求められている。本研究では、ハイパースペクトラルイメージャー(HSI)と呼ばれる装置を用いメラノーマを診断する。...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 276
Main Authors 永岡, 隆, 金澤, 祐斗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.276

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Summary:メラノーマは悪性黒色腫とも呼ばれる表在性腫瘍の一種である。近年欧米で患者数が急増しており、予防や治療に対する社会的な関心が高い。また、皮膚がんによる死亡の8割がメラノーマによるものであり予後が悪いがんとして知られている。メラノーマはメラニンを生成する細胞であるメラノサイトが悪性化したものであり、腫瘍の厚さが1mm厚くなるごとに5年生存率が約2割低下する。一方で、早期メラノーマは完治できる可能性が高く、早期発見が重要である。現在は、医師が目視で診断しており、より高精度かつ定量的な診断が求められている。本研究では、ハイパースペクトラルイメージャー(HSI)と呼ばれる装置を用いメラノーマを診断する。HSIで計測されたデータをハイパースペクトラルデータ(HSD)と呼び、医師の目視による診断では認識することのできない細かい色の変化を観察することができると我々は考えている。本研究室では、人工知能を用いたメラノーマの診断支援システムの開発に取り組んでいる。HSDは膨大なデータ量を持つために、データの縮約が必要である。本研究ではその縮約の手法として主成分分析を採用する。主成分分析を使うことにより、データのばらつきが大きい部分に着目しやすい。主成分分析で得られるスコア画像を利用し、人工知能でメラノーマを鑑別した結果について報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.276