双熱流法を用いたウェアラブル深部体温モニタの精度検証

体温は熱中症の早期発見や脊髄損傷者の体調管理などにおいて重要な生体情報である。一般的にはサーミスタなどを用いた体表面温度を用いることが多いが、外気温度や血流の状態により変化する。一方、深部体温は外気温度や血流の状態によらず、対象者の体温を正確に把握することが可能である。本研究では、熱中症の予防や脊髄損傷者の体調管理を日常的に行うことを目的に、双熱流法を用いたウェアラブル型の深部体温モニタの開発を行ってきた。本発表では開発した深部体温モニタと熱流補償法を用いた市販の深部体温モニタ(ベアーハガー 深部温モニタリングシステム, 3M)を用い、測定精度の検証を行った。精度検証を行うために恒温槽を用い頭...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 420
Main Authors 高崎, 紀美子, 田村, 俊世, 緒方, 徹, 井上, 剛伸, 吉村, 拓巳, 硯川, 潤, 高嶋, 淳, 黄, 銘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.420

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Summary:体温は熱中症の早期発見や脊髄損傷者の体調管理などにおいて重要な生体情報である。一般的にはサーミスタなどを用いた体表面温度を用いることが多いが、外気温度や血流の状態により変化する。一方、深部体温は外気温度や血流の状態によらず、対象者の体温を正確に把握することが可能である。本研究では、熱中症の予防や脊髄損傷者の体調管理を日常的に行うことを目的に、双熱流法を用いたウェアラブル型の深部体温モニタの開発を行ってきた。本発表では開発した深部体温モニタと熱流補償法を用いた市販の深部体温モニタ(ベアーハガー 深部温モニタリングシステム, 3M)を用い、測定精度の検証を行った。精度検証を行うために恒温槽を用い頭部の深部体温を模擬する装置を作成した。恒温槽の水温を38℃一定として、室温30℃と22℃において、開発したモニタと、市販のモニタの測定値の比較を行った。室温30℃の場合、市販のモニタ、開発したモニタ共に模擬深部体温に対して0.2℃程度高い値を示した。また室温22℃の場合は市販モニタの測定値は0.67℃、開発したモニタの測定値が0.16℃高い値を示した。開発したモニタは外気温が低下すると誤差が減少する傾向があることが明らかとなった。これらの結果から、開発した深部体温モニタは市販の深部体温モニタに比較して、外気温度が低い場合に測定精度が高いことが明らかとなった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.420