結合容量電極を用いた呼吸・心拍計測における計測範囲の検討

近年、健康起因による交通事故が増加傾向にある。その原因として心臓疾患が多くを占めている。そのため運転時に心拍および呼吸を連続的かつ長期的に計測する技術が必要とされている。運転時の心拍・呼吸を計測する方法として本研究では結合容量電極を用いた方法を提案している。本手法は誘電体(心臓や肺など)の変化により結合容量が変化する特性を利用しており、非接触で計測が可能であるため運転時に計測するのに適している。また本手法では、結合容量の変化は微小であるため、共振回路を用いて結合容量の変化を共振周波数およびQ値の変化として計測し、信号を増幅している。現在電極の形状は経験的に最も良いと考えられる形状を採用している...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 456
Main Authors 岩井, 守生, 尾崎, 直也, 小林, 宏一郎, 本間, 尚樹, 佐藤, 敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.456

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Summary:近年、健康起因による交通事故が増加傾向にある。その原因として心臓疾患が多くを占めている。そのため運転時に心拍および呼吸を連続的かつ長期的に計測する技術が必要とされている。運転時の心拍・呼吸を計測する方法として本研究では結合容量電極を用いた方法を提案している。本手法は誘電体(心臓や肺など)の変化により結合容量が変化する特性を利用しており、非接触で計測が可能であるため運転時に計測するのに適している。また本手法では、結合容量の変化は微小であるため、共振回路を用いて結合容量の変化を共振周波数およびQ値の変化として計測し、信号を増幅している。現在電極の形状は経験的に最も良いと考えられる形状を採用しているが、最適の形状を検討することは実用化に不可欠であるため、本研究では電極形状に起因する計測可能範囲の変化および指向性について検討を行った。今回は結合容量電極の径に注目し、電極の径を変化させたときの心拍信号の出力振幅を基準として、計測可能範囲を比較した。その結果、電極の径と計測可能距離に相関関係があることが分かった。また指向性に関して、容量結合を人体方向のみに行われるように結合容量電極の周りをグランド電極で囲んだ形状を検討した。その結果、上記形状を形成することで人体以外との容量結合が抑制され、結合容量電極が指向性を持つことが分かったので報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.456