疲労状態における健常者のストレス課題に伴う脳機能活動の評価
本研究では,健常者の疲労状態の違いによる脳機能活動性を評価した.対象は健常成人15名を対象とし,気分プロフィール検査の平均得点より疲労群と健常群に分類した.被験者は脳機能活動性の評価として脳波を測定し,急性ストレス刺激としてスピーチ課題を実施した.実験は30秒間の安静閉眼から開始し,課題呈示とスピーチ内容を考える時間を120秒,呈示課題のスピーチを180秒間,その後に安静閉眼を180秒間とした.スピーチ課題は3種類用意し,課題呈示から安静閉眼までを3回実施した.脳波は離散フーリエ変換によりθ波,α波,β波帯域を算出した.解析結果は被験者内因子として4区間(課題後60,120,180秒目までの6...
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| Published in | 生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 292 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2020
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| ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI | 10.11239/jsmbe.Annual58.292 |
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| Summary: | 本研究では,健常者の疲労状態の違いによる脳機能活動性を評価した.対象は健常成人15名を対象とし,気分プロフィール検査の平均得点より疲労群と健常群に分類した.被験者は脳機能活動性の評価として脳波を測定し,急性ストレス刺激としてスピーチ課題を実施した.実験は30秒間の安静閉眼から開始し,課題呈示とスピーチ内容を考える時間を120秒,呈示課題のスピーチを180秒間,その後に安静閉眼を180秒間とした.スピーチ課題は3種類用意し,課題呈示から安静閉眼までを3回実施した.脳波は離散フーリエ変換によりθ波,α波,β波帯域を算出した.解析結果は被験者内因子として4区間(課題後60,120,180秒目までの60秒間隔,及び課題前安静時)と3領域(前頭領域,中心領域,頭頂領域)で評価した.結果,θ波帯域の脳機能活動性において,疲労群は健常群と比較して有意に低値を示した.α波帯域の脳機能活動性では,課題前と180秒目の区間において,疲労群は健常群と比較して有意に低値を示した.これらの結果より,健常者においても,疲労状態は脳における継続的な情報処理機能に影響すると示唆された. |
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| ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
| DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual58.292 |