妊婦の身体的負荷軽減に関する職務の推奨基準 国内外ガイドラインのレビュー

就労妊婦において身体的負荷の大きい職務の調整が効果的に行えるようにするため、国内外のガイドラインをレビューし、妊娠中に身体的負荷軽減が推奨される職務の内容および基準を明らかにすることとした。論文・ガイドラインデータベース、行政機関・学会ホームページを用いた系統的検索の結果、7件のガイドライン・提言が包含され、5つの職務の推奨基準をまとめた。採用した基準は、持ち上げ仕事は妊娠20週以降で10kg×5回/日、妊娠30週以降で5kg×5回/日、立ち仕事は妊娠20週未満で3~4時間/日、妊娠20週以降30週未満で2~4時間/日、妊娠30週以降で1~4時間/日、就労時間は40時間/週、シフト勤務は妊娠2...

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Published in日本母性看護学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 9 - 15
Main Authors 吉沢, 豊予子, 吉田, 美香子, 中村, 康香, 和田, 彩, 川尻, 舞衣子, 武石, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本母性看護学会 30.03.2023
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ISSN1345-773X
2434-6187
DOI10.32305/jjsmn.23.2_9

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Summary:就労妊婦において身体的負荷の大きい職務の調整が効果的に行えるようにするため、国内外のガイドラインをレビューし、妊娠中に身体的負荷軽減が推奨される職務の内容および基準を明らかにすることとした。論文・ガイドラインデータベース、行政機関・学会ホームページを用いた系統的検索の結果、7件のガイドライン・提言が包含され、5つの職務の推奨基準をまとめた。採用した基準は、持ち上げ仕事は妊娠20週以降で10kg×5回/日、妊娠30週以降で5kg×5回/日、立ち仕事は妊娠20週未満で3~4時間/日、妊娠20週以降30週未満で2~4時間/日、妊娠30週以降で1~4時間/日、就労時間は40時間/週、シフト勤務は妊娠20週以降と夜間勤務に特に注意、重労働は「ややつらい」と感じるまでかつ異常症状を生じない程度であった。基準は日本でも活用可能と考えられ、医療者は妊婦や上司に対しより具体的な助言を行うことが望まれる。
ISSN:1345-773X
2434-6187
DOI:10.32305/jjsmn.23.2_9