Schönlein-Henoch紫斑病に合併した大腸病変の1例

「はじめに」今回, われわれはSchonlein-Henoch紫斑病(以下, SHP)に合併した大腸病変の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:72歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:68歳時下行結腸癌で腹腔鏡下部分切除, 70歳時脊髄小脳変性症. 家族歴:両親に心疾患. 現病歴:平成15年6月2日両下肢伸側部に径2~3mmの皮下出血が出現した. 当院皮膚科受診しアレルギー性病変と診断され, 抗アレルギー剤の処方を受け経過観察とされた. この時より咳漱時に増強する左胸部痛を自覚していた. 6月14日から腹痛, 下痢, 血便が出現し, 次第に増強するため, 6月16日当科を受診し, 即日入...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 106 - 107
Main Authors 高橋, 敬二, 菊池, 由宣, 倉形, 秀則, 北条, 裕, 佐藤, 直嗣, 瀧田, 渉, 五味, 志奈, 住野, 泰清, 浜谷, 茂治, 五十嵐, 良典, 三木, 一正, 蜂矢, 朗彦, 渡邊, 利泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.64.2_106

Cover

More Information
Summary:「はじめに」今回, われわれはSchonlein-Henoch紫斑病(以下, SHP)に合併した大腸病変の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:72歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:68歳時下行結腸癌で腹腔鏡下部分切除, 70歳時脊髄小脳変性症. 家族歴:両親に心疾患. 現病歴:平成15年6月2日両下肢伸側部に径2~3mmの皮下出血が出現した. 当院皮膚科受診しアレルギー性病変と診断され, 抗アレルギー剤の処方を受け経過観察とされた. この時より咳漱時に増強する左胸部痛を自覚していた. 6月14日から腹痛, 下痢, 血便が出現し, 次第に増強するため, 6月16日当科を受診し, 即日入院となった. 入院時現症:吸気時に左胸部の違和感あり. 左下腹部に自発痛, 圧痛あり. 両側下腿伸側部を中心に紫斑を認めた(Color 1). 入院時検査成績(Table 1):炎症反応は亢進し, 軽度の貧血と血小板増多を認めた. 尿蛋白は陽性であった. 第XIII因子の低下はなく, IgAは正常であった. 入院後経過:下部消化管内視鏡検査(以下, CF)では, 盲腸から直腸にかけて正常粘膜を介して多発性に潰瘍形成を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.64.2_106