皮膚知覚過敏とヒト皮膚C線維機械熱侵害受容器の反応性

Mustardoil(MO)やcapsaicinなどの辛み刺激性物質の皮膚への塗布刺激が灼熱痛を生じ, その後に傷害時と同じような知覚過敏を生じることが知られている6, 9, 11). このような刺激性物質の塗布刺激によって皮膚C線維機械熱侵害受容器(C mechano-heat-sensitive nociceptors:CMHs)が興奮することは動物12, 16)やヒトにおいて2, 8)観察されている. また温受容器やAδ高閾値機械侵害受容器の一部が興奮を示すことも知られている10). しかし塗布刺激によって生じる灼熱感という感覚の質の伝達にどのような求心性一次終末が関与するかについては明...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 11; no. 2; pp. 103 - 112
Main Authors 後藤, 和廣, 鹿児島, 裕, 菅原, 之人, 桜井, 運雄, 會澤, 重勝, 相川, 貞男, 杉山, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本疼痛学会 31.07.1996
日本疼痛学会
Subjects
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.11.103

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Summary:Mustardoil(MO)やcapsaicinなどの辛み刺激性物質の皮膚への塗布刺激が灼熱痛を生じ, その後に傷害時と同じような知覚過敏を生じることが知られている6, 9, 11). このような刺激性物質の塗布刺激によって皮膚C線維機械熱侵害受容器(C mechano-heat-sensitive nociceptors:CMHs)が興奮することは動物12, 16)やヒトにおいて2, 8)観察されている. また温受容器やAδ高閾値機械侵害受容器の一部が興奮を示すことも知られている10). しかし塗布刺激によって生じる灼熱感という感覚の質の伝達にどのような求心性一次終末が関与するかについては明らかではなく, ヒトCMHsの発射頻度と心理的応答には相関を認めないとする報告2)がなされている. 一方, これらの塗布刺激時には塗布部とその周辺皮膚組織に強い血管拡張が惹起され, 侵害受容器の逆行性刺激による軸索反射によって発現されると考えられている5, 11). また塗布後の皮膚には機械刺激および熱刺激に対する知覚過敏が出現することも知られている.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.11.103