RGBカメラを用いた自律神経系の非接触計測

本研究では,テレワークの増加に伴い,メンタルの不調や生活習慣病のリスクが増加するという問題に着目した.これらの健康問題は自律神経系活動の不調によって引き起こされる.また,自律神経系が活性化すると,血管拡張または血管収縮が起こる.本研究の目的は,毛細血管の収縮拡張を健康指標とし, 非接触かつ短時間で健康状態を評価する方法の提案である. 光の波長ごとにヘモグロビンによる吸収率が異なることから,本研究では顔の画像中の緑と赤の値の変化に着目した.顔画像中の緑と赤の値の反応は、血管の収縮と拡張の反応,つまり自律神経の反応を示していると考えられる.これを証明するために検証実験を行った.対象は男性4名(22...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 586
Main Authors 王, 天一, 辻, 涼平, 岡田, 志麻
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.586

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Summary:本研究では,テレワークの増加に伴い,メンタルの不調や生活習慣病のリスクが増加するという問題に着目した.これらの健康問題は自律神経系活動の不調によって引き起こされる.また,自律神経系が活性化すると,血管拡張または血管収縮が起こる.本研究の目的は,毛細血管の収縮拡張を健康指標とし, 非接触かつ短時間で健康状態を評価する方法の提案である. 光の波長ごとにヘモグロビンによる吸収率が異なることから,本研究では顔の画像中の緑と赤の値の変化に着目した.顔画像中の緑と赤の値の反応は、血管の収縮と拡張の反応,つまり自律神経の反応を示していると考えられる.これを証明するために検証実験を行った.対象は男性4名(22.5 ± 0.5歳)とし,冷水負荷による顔画像中の緑と赤の値の比であるG/R比の変化と心拍数(HR)を測定した.その結果,冷水負荷開始の直後にHRは急激に増加,G/R比は減少した.その後,HR,G/R比はともに冷水負荷終了時に安静時の値まで回復することが確認された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.586