3次元CT画像を用いた模擬ボーリング調査による脆弱性骨盤骨折検出法

超高齢化社会である日本では,骨粗鬆症に伴い脆弱性骨盤骨折(FFP;fragility fractures of the pelvis)の症例は増加している.FFPは患者の臥床に繋がりやすく,合併症を引き起こしやすい.また,骨折診断は主に3次元CT画像の目視で行われるが,FFPは画像では捉えづらく,診断に時間を要する.本研究では,3次元CT画像上でのFFPを自動検出する手法として,ボーリング調査による骨折検出(BSFD;Boring survey based fracture detection)法を提案する.本手法では骨盤表面から深部にかけてボーリング調査を模して探索することで,骨表面に現れづ...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 296
Main Authors 丸尾, 明宏, 林, 圭吾, 八木, 直美, 山本, 侃利, らしぇどぅーら, らーまん, 村津, 裕嗣, 小橋, 昌司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.296

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Summary:超高齢化社会である日本では,骨粗鬆症に伴い脆弱性骨盤骨折(FFP;fragility fractures of the pelvis)の症例は増加している.FFPは患者の臥床に繋がりやすく,合併症を引き起こしやすい.また,骨折診断は主に3次元CT画像の目視で行われるが,FFPは画像では捉えづらく,診断に時間を要する.本研究では,3次元CT画像上でのFFPを自動検出する手法として,ボーリング調査による骨折検出(BSFD;Boring survey based fracture detection)法を提案する.本手法では骨盤表面から深部にかけてボーリング調査を模して探索することで,骨表面に現れづらいFFP等に関しても差異を抽出できる.BSFD法は,初めにCT画像から骨盤表面を抽出する.次に,骨表面に直交した骨内部の四角柱を抽出する.四角柱内部は対応する箇所のCT値を有し,各骨表面の特徴を表現する.学習済み3次元畳み込みニューラルネットワークモデル(CNN)を用い,抽出した四角柱から骨折確率を予測する.これをすべての骨表面点に適用し,骨盤全体でFFPの自動検出を可能とする.本研究では,骨盤骨折を有する被験者110症例のデータを用いた.AUCは訓練データで0.84,評価データに対して0.77となった.さらに,予測した骨折確率は3次元データ上に表示することで,医師の診断補助が可能である.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.296