2チャンネルスコープを応用し胃内残留胃瘻バンパーを回収し得た1例

「はじめに」 体外で切断した胃瘻バンパーを胃内に残留させた場合, 残留バンパーによる消化管閉塞や穿孔などの合併症が1.0~1.6%に発生するため, 内視鏡的回収が推奨されている. しかし, その具体的な方法についてはほとんど言及されていない. 今回, 内視鏡的バンパー回収法の1つを考案したので報告する. 「症例」 患者は施設入所中の84歳, 女性. 5年前に他院で内視鏡的胃瘻造設されていたが, 来院前日より黒色嘔吐を繰り返し, 頻呼吸を呈したため当院へ救急搬送された. 胸部X線上, 両側肺野に浸潤影があり, 誤嚥性肺炎と診断されて緊急入院となった. 胸部X線では右上腹部に胃瘻バンパーを2個認め...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 56 - 57
Main Authors 高木, 英恵, 相浦, 浩一, 井上, 健太郎, 市東, 昌也, 有泉, 健, 玉井, 博修, 星本, 相淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.85.1_56

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Summary:「はじめに」 体外で切断した胃瘻バンパーを胃内に残留させた場合, 残留バンパーによる消化管閉塞や穿孔などの合併症が1.0~1.6%に発生するため, 内視鏡的回収が推奨されている. しかし, その具体的な方法についてはほとんど言及されていない. 今回, 内視鏡的バンパー回収法の1つを考案したので報告する. 「症例」 患者は施設入所中の84歳, 女性. 5年前に他院で内視鏡的胃瘻造設されていたが, 来院前日より黒色嘔吐を繰り返し, 頻呼吸を呈したため当院へ救急搬送された. 胸部X線上, 両側肺野に浸潤影があり, 誤嚥性肺炎と診断されて緊急入院となった. 胸部X線では右上腹部に胃瘻バンパーを2個認めた. 上部消化管内視鏡検査を実施すると, 切断され胃内に落下したと思われる胃瘻バンパーが幽門部に嵌頓しており, これによる通過障害が頻回な嘔吐の原因と考えた. 回収ネットと把持鉗子を用いてバンパー回収を試みたが, 下部食道で強い抵抗があり抜去できなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.85.1_56