乳癌検診並びに自己検査法講習会受診者の背景と保健行動の特徴 (I)

本研究は,乳癌検診並びに自己検査法講習会を受診した婦人911名(平均年齢51.5±11.2歳)を対象とし,その社会的属性や身体的,素因的要素等を含む背景や保健行動の特徴を明らかにすることを目的とした。  その結果,受診者の背景として,1) 結婚している主婦が多い,2) 癌家族歴が45.8%にみられる,3) 乳房疾患の既往,乳房に関する自覚症状はそれぞれ約20%にみられ,若年層に自覚症状の有訴率が高い,4) 過去の乳癌検診受診率は他の検診の受診率に比べて低い,5) 過去に乳癌検診を受診した経験のある者は,初回受診者に比べて胃癌検診,子宮癌検診,健康診査の受信率が高い,6) 乳房疾患既往率や「乳房...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 16; no. 2; pp. 2_5 - 2_12
Main Authors 前田, ひとみ, 木原, 信市, 松岡, 聖子, 成田, 栄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 1993
Japan Society of Nursing Research
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.19930601001

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Summary:本研究は,乳癌検診並びに自己検査法講習会を受診した婦人911名(平均年齢51.5±11.2歳)を対象とし,その社会的属性や身体的,素因的要素等を含む背景や保健行動の特徴を明らかにすることを目的とした。  その結果,受診者の背景として,1) 結婚している主婦が多い,2) 癌家族歴が45.8%にみられる,3) 乳房疾患の既往,乳房に関する自覚症状はそれぞれ約20%にみられ,若年層に自覚症状の有訴率が高い,4) 過去の乳癌検診受診率は他の検診の受診率に比べて低い,5) 過去に乳癌検診を受診した経験のある者は,初回受診者に比べて胃癌検診,子宮癌検診,健康診査の受信率が高い,6) 乳房疾患既往率や「乳房のしこり」有訴率は今までに乳癌検診を受診した経験のある者に高かった。  以上のことから,乳癌検診の受診行動に影響を及ぼす要因として,癌家族歴や乳房に関する既往,自覚症状,受診のための時間的余裕が示唆された。また,過去に乳癌検診を受診した経験のある者は,乳癌検診だけでなく各種癌検診を受診するという積極的保健行動を持つことも確認された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.19930601001