著明な電解質異常を来した十二指腸水平脚部癌の1例
「はじめに」十二指腸水平脚部癌は稀である. 著明な電解質異常に対して, PEG(経皮的内視鏡下胃瘻造設), 腸瘻造設にて改善後, 根治手術を施行しえた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:61歳, 男性. 主訴:嘔気, 嘔吐. 既往歴:42歳, 鼠径ヘルニア. 55歳, アルコール依存症, 高血圧症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成12年9月頃より嘔気, 嘔吐を認めたが放置していた. 12月頃より増悪し, 平成13年1月近医にて十二指腸水平脚の腫瘍を指摘され, 精査加療目的にて当科入院となった. 入院時現症:特記すべきことなし. 入院時血液検査所見:Na 129mEq/l,...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 60; no. 2; pp. 60 - 61 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2002
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.60.2_60 |
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| Summary: | 「はじめに」十二指腸水平脚部癌は稀である. 著明な電解質異常に対して, PEG(経皮的内視鏡下胃瘻造設), 腸瘻造設にて改善後, 根治手術を施行しえた1例を経験したので報告する. 「症例」患者:61歳, 男性. 主訴:嘔気, 嘔吐. 既往歴:42歳, 鼠径ヘルニア. 55歳, アルコール依存症, 高血圧症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成12年9月頃より嘔気, 嘔吐を認めたが放置していた. 12月頃より増悪し, 平成13年1月近医にて十二指腸水平脚の腫瘍を指摘され, 精査加療目的にて当科入院となった. 入院時現症:特記すべきことなし. 入院時血液検査所見:Na 129mEq/l, Cl 90mEq/lと軽度の低Na, Cl血症を認めたが, それ以外の血算生化学検査は異常値を認めなかった. CEA, CA19-9, CA72-4, NCC-ST439, DUPAN-IIは正常範囲内であった. 腹部CT所見(Fig.1):十二指腸下行脚から水平脚の著明な拡張と水平脚に下大静脈を圧排する腫瘍を認めた. 周囲への浸潤像は認めなかった. 上部消化管内視鏡所見(Color 1):十二指腸水平脚, Vater乳頭から約10mm肛門側に全周性の2型癌を疑う腫瘍を認めた. 生検では中分化型腺癌であった. 十二指腸造影所見(Fig.2):十二指腸水平脚の完全閉塞を認めた. ERCP所見:膵管, 総胆管に異常はなかった. 腹部血管造影所見:第2空腸動脈を栄養血管とする腫瘍濃染像を認めた. |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.60.2_60 |