片眼黄斑円孔症例の抑制と立体視-単眼視下と両眼視下での暗点の比較
目的:片眼特発性黄斑円孔症例(以下MH)の罹患眼の暗点(以下MH暗点)と両眼視下での暗点(以下抑制暗点)の大きさと出現頻度を経時的に測定して抑制と立体視の関連について調べた。 対象及び方法:MHに対して硝子体手術を行った40名に偏光4ドット検査器(以下P4DOT)を用い両暗点を1期:術前(40例)、2期:術後1~2か月後(28例) 3期:3~5か月後(21例)、4期:6か月以上(15例)に測定した。併せて光干渉断層計(以下OCT)で術前の円孔と嚢胞の大きさを測定した。立体視:Titmus Stereo Testと視力も4期測定して検討した。 結果:術前40症例中35症例(87.5%)にMH暗点...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 41; pp. 255 - 261 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2012
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.041F129 |
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Summary: | 目的:片眼特発性黄斑円孔症例(以下MH)の罹患眼の暗点(以下MH暗点)と両眼視下での暗点(以下抑制暗点)の大きさと出現頻度を経時的に測定して抑制と立体視の関連について調べた。 対象及び方法:MHに対して硝子体手術を行った40名に偏光4ドット検査器(以下P4DOT)を用い両暗点を1期:術前(40例)、2期:術後1~2か月後(28例) 3期:3~5か月後(21例)、4期:6か月以上(15例)に測定した。併せて光干渉断層計(以下OCT)で術前の円孔と嚢胞の大きさを測定した。立体視:Titmus Stereo Testと視力も4期測定して検討した。 結果:術前40症例中35症例(87.5%)にMH暗点、37症例(92.5%)に抑制暗点がみられた。OCTによる円孔の大きさは平均1.04°±0.51でMH暗点の平均2.56⊿±0.62(およそ1.07°)と相関した。2期、抑制暗点2.06⊿±0.13、MH暗点2.01⊿±0.04となり、この時期のみ抑制暗点が有意に大きかった(p<0.05)。両暗点、立体視、視力ともに術前の1期に対して術後の各期に有意な差を認めた。暗点の有無と立体視には相関はみられなかった。4期には両暗点無し(2⊿以下)が15症例中13例(86.7%)に達した。 結論:MHに伴う抑制は一過性に生じ早期手術による円孔閉鎖とともに経時的に消滅して良好な立体視が獲得される事が判明した。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.041F129 |