高齢者てんかんの診断と治療

高齢者はてんかんの好発年齢で,高齢者の1%以上がてんかんを有する.本邦では約40万人の高齢者がてんかんに罹患している.高齢初発てんかんは,痙攣をきたさない焦点意識減損発作focal impaired awareness seizure(複雑部分発作complex partial seizure)が多い.1~5分間の意識変容をきたす発作であり前兆や自動症を伴うことが多い.全身痙攣発作で発症した場合は,焦点発作からの両側性強直間代発作への進展が大部分である.非痙攣性てんかん発作重積状態は持続する意識障害を呈するが,脳波検査をしないと診断は困難である.認知症外来に意識消失焦点発作の患者が受診すること...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 58; no. 4; pp. 529 - 532
Main Author 赤松, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.10.2021
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.58.529

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Summary:高齢者はてんかんの好発年齢で,高齢者の1%以上がてんかんを有する.本邦では約40万人の高齢者がてんかんに罹患している.高齢初発てんかんは,痙攣をきたさない焦点意識減損発作focal impaired awareness seizure(複雑部分発作complex partial seizure)が多い.1~5分間の意識変容をきたす発作であり前兆や自動症を伴うことが多い.全身痙攣発作で発症した場合は,焦点発作からの両側性強直間代発作への進展が大部分である.非痙攣性てんかん発作重積状態は持続する意識障害を呈するが,脳波検査をしないと診断は困難である.認知症外来に意識消失焦点発作の患者が受診することがあるので,日常臨床では留意する必要がある.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.58.529