VI.便失禁の外科的治療法

便失禁に関する外科治療の報告は多数存在するが,概してそのエビデンスレベルは低く,疾患の性質上,ランダム化比較試験などの大規模試験が困難である.肛門括約筋形成術などの標準的治療から現在のトピックスである仙骨神経刺激療法などの低侵襲手術の試みが欧米を中心に行われており,本邦における外科治療のガイドライン作成が急務である. 便失禁の外科治療が今回のテーマである「標準化」となるためには,それぞれの治療法の特徴を十分に周知する必要がある.そのために,本邦で行われている肛門括約筋形成術,有茎薄筋移植術やストーマ造設術以外に,現時点では本邦において未承認の仙骨神経刺激療法などの外科治療も含めて文献的考察を加...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 64; no. 10; pp. 873 - 878
Main Authors 勝野, 秀稔, 前田, 耕太郎, 吉岡, 和彦, 山名, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2011
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.64.873

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Summary:便失禁に関する外科治療の報告は多数存在するが,概してそのエビデンスレベルは低く,疾患の性質上,ランダム化比較試験などの大規模試験が困難である.肛門括約筋形成術などの標準的治療から現在のトピックスである仙骨神経刺激療法などの低侵襲手術の試みが欧米を中心に行われており,本邦における外科治療のガイドライン作成が急務である. 便失禁の外科治療が今回のテーマである「標準化」となるためには,それぞれの治療法の特徴を十分に周知する必要がある.そのために,本邦で行われている肛門括約筋形成術,有茎薄筋移植術やストーマ造設術以外に,現時点では本邦において未承認の仙骨神経刺激療法などの外科治療も含めて文献的考察を加えて紹介する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.64.873