鼓室形成術

鼓室形成術の基本は外耳道後壁保存型鼓室形成術であり,そのポイントを知ることで安全な手術が可能でなる。乳突削開術で最初に削開を始める部位としてMacEwen’s triangleがあるが,三角形の意識が強いまま上鼓室を開放すると,うまく開放できない。耳小骨,顔面神経,外側半規管は外耳道壁より5mm以内にあるため,外耳道壁をできるだけ薄くし,ハート型を意識した乳突削開,上鼓室開放を行う。S状静脈洞,脳硬膜などは外側面から骨を透かして見える程度まで積極的に見るPositive identificationを行うと,安全な削開が可能である。後鼓室開放術では外耳道壁を薄くする延長で縦方向に開放し,個人の...

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Published inJOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY Vol. 33; no. 3; pp. 271 - 275
Main Author 高橋, 邦行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.271

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Summary:鼓室形成術の基本は外耳道後壁保存型鼓室形成術であり,そのポイントを知ることで安全な手術が可能でなる。乳突削開術で最初に削開を始める部位としてMacEwen’s triangleがあるが,三角形の意識が強いまま上鼓室を開放すると,うまく開放できない。耳小骨,顔面神経,外側半規管は外耳道壁より5mm以内にあるため,外耳道壁をできるだけ薄くし,ハート型を意識した乳突削開,上鼓室開放を行う。S状静脈洞,脳硬膜などは外側面から骨を透かして見える程度まで積極的に見るPositive identificationを行うと,安全な削開が可能である。後鼓室開放術では外耳道壁を薄くする延長で縦方向に開放し,個人の乳突腔の形状を考え,外耳道壁の高さを少し調整すると安全な開放が可能である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.271