ICU内で行う気管切開手術―97例での検討
気管切開手術はICUで行われる外科処置として一般的であるが, 適応, 時期, 術式などに明確な基準はない。国立病院機構横浜医療センターのICUで2012~2017年に行われ, 麻酔記録が残る97例を後方視的に調査した。患者の年齢中央値は72歳で, 50歳未満は15例, 男女比は65 : 32, もっとも多い原因は呼吸不全だった。術式は外科的気管切開術が65例, 経皮気管切開術が15例, 外科的に気管を露出し穿刺するハイブリッド法が13例, 不明4例であった。手術時間は経皮気管切開術が有意に短く30±13分 (平均±SD), 外科的気管切開術41±13分, ハイブリッド法47±13分であった。術...
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Published in | 日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 232 - 235 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本救急医学会関東地方会
31.12.2018
Japanese Association for Acute Medicine of Kanto |
Subjects | |
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ISSN | 0287-301X 2434-2580 |
DOI | 10.24697/jaamkanto.39.2_232 |
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Summary: | 気管切開手術はICUで行われる外科処置として一般的であるが, 適応, 時期, 術式などに明確な基準はない。国立病院機構横浜医療センターのICUで2012~2017年に行われ, 麻酔記録が残る97例を後方視的に調査した。患者の年齢中央値は72歳で, 50歳未満は15例, 男女比は65 : 32, もっとも多い原因は呼吸不全だった。術式は外科的気管切開術が65例, 経皮気管切開術が15例, 外科的に気管を露出し穿刺するハイブリッド法が13例, 不明4例であった。手術時間は経皮気管切開術が有意に短く30±13分 (平均±SD), 外科的気管切開術41±13分, ハイブリッド法47±13分であった。術式間では体重に差はなかった。気管切開の至適時期は明確ではないが, 中央値8日 (2~24日) であった。周術期合併症は事故抜管が1例あった。経皮気管切開術は優れた方法であるが, 外科的気管切開術が好まれたのは比較的若い術者が多かったことが考えられる。男女比が2と差があったが原因は不明であった。 |
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ISSN: | 0287-301X 2434-2580 |
DOI: | 10.24697/jaamkanto.39.2_232 |