抗癌剤によるアナフィラキシーショックに対してアドレナリン使用後に冠攣縮性狭心症をきたした1例
アナフィラキシーショックに対してアドレナリン投与後に冠攣縮性狭心症を呈した症例を経験したため報告する。症例は55歳男性。S状結腸癌肝転移に対する外科的治療後, cetuximab, 5-fluorouracil, leucovorin, oxaliplatinにてアジュバント療法を行っていた。本院外科外来にて3コース目を投与中に体幹の皮疹, 嘔吐, 血圧低下, 酸素化低下を認め直ちに救急外来に搬送とした。アナフィラキシーショックと判断し, 救急外来にてアドレナリン0.3mgを筋肉内注射した。その5分後に激烈な胸痛が出現し, 12誘導心電図では II , III , aVfでST上昇を認めた。投...
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| Published in | 日本救急医学会関東地方会雑誌 Vol. 39; no. 2; pp. 303 - 306 |
|---|---|
| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本救急医学会関東地方会
31.12.2018
Japanese Association for Acute Medicine of Kanto |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-301X 2434-2580 |
| DOI | 10.24697/jaamkanto.39.2_303 |
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| Summary: | アナフィラキシーショックに対してアドレナリン投与後に冠攣縮性狭心症を呈した症例を経験したため報告する。症例は55歳男性。S状結腸癌肝転移に対する外科的治療後, cetuximab, 5-fluorouracil, leucovorin, oxaliplatinにてアジュバント療法を行っていた。本院外科外来にて3コース目を投与中に体幹の皮疹, 嘔吐, 血圧低下, 酸素化低下を認め直ちに救急外来に搬送とした。アナフィラキシーショックと判断し, 救急外来にてアドレナリン0.3mgを筋肉内注射した。その5分後に激烈な胸痛が出現し, 12誘導心電図では II , III , aVfでST上昇を認めた。投与約20分後に正常波形に自然に改善した。緊急冠動脈造影検査を施行したが, 冠動脈に有意な狭窄は認めず冠攣縮性狭心症と診断した。 |
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| ISSN: | 0287-301X 2434-2580 |
| DOI: | 10.24697/jaamkanto.39.2_303 |