腋窩–大腿動脈バイパス術後遠隔期に発生した人工血管断裂による非吻合部仮性動脈瘤の1例

症例は71歳女性.2006年,Leriche症候群に対して外部サポート付きDacron製二又式人工血管を用いた腋窩動脈–両側大腿動脈バイパス術を施行した.術後6年目にグラフト急性血栓閉塞にて血栓除去術を施行.術後7年目より左下肢の間欠性跛行の増悪を認めた.造影CT検査にて,第3腰椎のレベルで人工血管に仮性動脈瘤と狭窄を認め,人工血管断裂による非吻合部仮性動脈瘤と診断し手術を施行した.手術では仮性動脈瘤を切開し断裂した部分の人工血管を切除し,新たな人工血管で部分置換した.摘出した人工血管の所見では,外部サポートコイルの破損と同部での人工血管の断裂を認めた.人工血管の破損の位置がウエストラインと一...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 25; pp. 329 - 333
Main Authors 竹歳, 秀人, 庄村, 遊, 小野田, 幸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2016
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.16-00059

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Summary:症例は71歳女性.2006年,Leriche症候群に対して外部サポート付きDacron製二又式人工血管を用いた腋窩動脈–両側大腿動脈バイパス術を施行した.術後6年目にグラフト急性血栓閉塞にて血栓除去術を施行.術後7年目より左下肢の間欠性跛行の増悪を認めた.造影CT検査にて,第3腰椎のレベルで人工血管に仮性動脈瘤と狭窄を認め,人工血管断裂による非吻合部仮性動脈瘤と診断し手術を施行した.手術では仮性動脈瘤を切開し断裂した部分の人工血管を切除し,新たな人工血管で部分置換した.摘出した人工血管の所見では,外部サポートコイルの破損と同部での人工血管の断裂を認めた.人工血管の破損の位置がウエストラインと一致していたため,屈曲,伸展といった慢性的な機械的外力が破損の原因と考えられ,今後も注意深い経過観察が必要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.16-00059