認知症高齢者を在宅介護する家族にユマニチュード®の基本技術を伝えたあとの家族の受け止め

本研究の目的は,認知症高齢者を在宅で介護している家族にユマニチュードの基本技術を伝えることで,行動心理症状,認知症高齢者の理解,介護への肯定的感情がどのように変化するのかを明らかにすることである。家族介護者1名を対象に,パイロットスタディとして半構造化面接によるインタビューを実施した。その結果,ユマニチュードトレーニング実施後に【介護の拒否がなくなり協力的な態度を実感】【認知症の視線に対する新たな気づき】【介護や将来に対する不安減少を実感】【介護に対する技術と自信の向上を実感】等7個のカテゴリーが導き出された。このことより,在宅で介護する家族にユマニチュードの基礎技術を伝えることは,対象者が捉...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 159 - 165
Main Authors 佐々木, 晶世, 土肥, 眞奈, 林, 夏希, 春名, 朝美, 叶谷, 由佳, 本田, 美和子, 伊東, 美緒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 31.07.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.27.2_159

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は,認知症高齢者を在宅で介護している家族にユマニチュードの基本技術を伝えることで,行動心理症状,認知症高齢者の理解,介護への肯定的感情がどのように変化するのかを明らかにすることである。家族介護者1名を対象に,パイロットスタディとして半構造化面接によるインタビューを実施した。その結果,ユマニチュードトレーニング実施後に【介護の拒否がなくなり協力的な態度を実感】【認知症の視線に対する新たな気づき】【介護や将来に対する不安減少を実感】【介護に対する技術と自信の向上を実感】等7個のカテゴリーが導き出された。このことより,在宅で介護する家族にユマニチュードの基礎技術を伝えることは,対象者が捉える行動心理症状が軽減し,認知症高齢者に対する理解が深まり,介護への肯定的感情が高まり,家族介護者が抱える認知症への対応困難感の軽減に有効である可能性が示唆された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.27.2_159