北海道の妊婦の全血中POPs系農薬の濃度 環境と子どもの健康に関する北海道研究

「はじめに」難分解性の有機塩素系農薬は内分泌撹乱作用を持つと懸念されており, 1950年代以後, 環境や健康への悪影響が懸念されるようになり, 1970年代に日本を含む多くの国で使用できなくなった(付表1). これらは動物の体内に蓄積し, 環境よりも体内濃度が高い状態になっている. また, 北極圏の環境と伝統的な食生活をしてきたイヌイットの血液, 母乳から種々の産業由来の有機塩素系化合物が検出される. 1991年にArctic Monitoring and Assessment Programme (AMAP)が設立され(http://www.amap.no/), 難分解性有機汚染物質(Per...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 95 - 107
Main Authors 小林, 澄貴, 鷲野, 孝揚, 岡田, 惠美子, 金澤, 文子, 吉岡, 英治, 苣木, 洋一, 宮下, ちひろ, 湯浅, 資之, 水谷, 太, 佐々木, 成子, 岸, 玲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 01.01.2011
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.66.95

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Summary:「はじめに」難分解性の有機塩素系農薬は内分泌撹乱作用を持つと懸念されており, 1950年代以後, 環境や健康への悪影響が懸念されるようになり, 1970年代に日本を含む多くの国で使用できなくなった(付表1). これらは動物の体内に蓄積し, 環境よりも体内濃度が高い状態になっている. また, 北極圏の環境と伝統的な食生活をしてきたイヌイットの血液, 母乳から種々の産業由来の有機塩素系化合物が検出される. 1991年にArctic Monitoring and Assessment Programme (AMAP)が設立され(http://www.amap.no/), 難分解性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants, POPs)の曝露状況と, それによって次世代がどのような影響を受けるのかについて, 継続調査がなされている(1, 2). 北極圏とその隣接地域に住む人々へのPOPs曝露の好ましくない健康影響について報告されている(3-6).
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.66.95