超音波でALSは診断できるか

神経筋疾患の診断に,超音波検査が一般的に利用されるようになり,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断においても,超音波検査の応用が始まっている.ALS診断で試用されている評価項目には,筋の厚み・エコー輝度・fasciculationがある.しかし,現時点において実用的な可能性があるのはfasciculationの検出である.Fasciculationの検出感度は,超音波が筋電図検査よりすぐれる可能性がある.2008年に提唱されたAwaji基準では筋電図上のfasciculationは診断に寄与する所見と位置づけられた.Fasciculationの検出において,筋電図を補完する検査として超音波を利用...

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Published in臨床神経学 Vol. 53; no. 11; pp. 1206 - 1207
Main Author 三澤, 園子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2013
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.53.1206

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Summary:神経筋疾患の診断に,超音波検査が一般的に利用されるようになり,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断においても,超音波検査の応用が始まっている.ALS診断で試用されている評価項目には,筋の厚み・エコー輝度・fasciculationがある.しかし,現時点において実用的な可能性があるのはfasciculationの検出である.Fasciculationの検出感度は,超音波が筋電図検査よりすぐれる可能性がある.2008年に提唱されたAwaji基準では筋電図上のfasciculationは診断に寄与する所見と位置づけられた.Fasciculationの検出において,筋電図を補完する検査として超音波を利用することが許容されれば,超音波検査はALS診断に貢献できる可能性がある.超音波検査の最大の利点は非侵襲性であり,今後発展させるべき分野である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.53.1206