Dynactin 1の機能低下と運動ニューロン変性

Dynactin  1は各種の蛋白質や小胞の軸索輸送を司るモーター蛋白質である.孤発性ALS患者脊髄前角細胞のマイクロアレイ解析においてdynactin 1の発現が低下していることに着目し,コリン作動性ニューロン(運動ニューロン)特異的dnc-1(dynactin-1の線虫相同体)ノックダウン線虫を作成したところ,著明な運動機能障害を呈し,運動ニューロンの軸索の変性およびオートファゴソームの軸索輸送の著明な低下がみとめられた.Rapamycinとtrichostatinを併用すると表現型.軸索変性が著明に改善した.オートファゴソームの軸索輸送は運動ニューロン疾患の新規治療ターゲットと考えられる...

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Published in臨床神経学 Vol. 53; no. 11; pp. 1084 - 1086
Main Authors 池中, 建介, 祖父江, 元, 河合, 香里, 勝野, 雅央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2013
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.53.1084

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Summary:Dynactin  1は各種の蛋白質や小胞の軸索輸送を司るモーター蛋白質である.孤発性ALS患者脊髄前角細胞のマイクロアレイ解析においてdynactin 1の発現が低下していることに着目し,コリン作動性ニューロン(運動ニューロン)特異的dnc-1(dynactin-1の線虫相同体)ノックダウン線虫を作成したところ,著明な運動機能障害を呈し,運動ニューロンの軸索の変性およびオートファゴソームの軸索輸送の著明な低下がみとめられた.Rapamycinとtrichostatinを併用すると表現型.軸索変性が著明に改善した.オートファゴソームの軸索輸送は運動ニューロン疾患の新規治療ターゲットと考えられる.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.53.1084