FIB-SEM法を活用した糸球体足細胞の立体構造解析

足細胞は腎糸球体における血液の選択的濾過に必須な上皮細胞であり,複雑な突起構築を有する.足細胞はボウマン腔と呼ばれる腔所に面していることから,走査電顕法によりその立体構造が解析されてきた.しかし,従来の走査電顕法による解析にはいくつかの限界があり,足細胞の正常構造,発生過程,病態変化の三次元的な理解は完全とは言えなかった.私どもはFIB-SEM法を足細胞の三次元構造解析に適用し,従来の方法では解析が困難であった多くの問題を解決できた.本講座では,FIB-SEM法で明らかにできた足細胞の立体構造を,正常状態,発生過程,病態変化という3つの観点から概説したい....

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Bibliographic Details
Published in顕微鏡 Vol. 51; no. 3; pp. 165 - 170
Main Authors 市村, 浩一郎, 角田, 宗一郎, 坂井, 建雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本顕微鏡学会 30.12.2016
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ISSN1349-0958
2434-2386
DOI10.11410/kenbikyo.51.3_165

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Summary:足細胞は腎糸球体における血液の選択的濾過に必須な上皮細胞であり,複雑な突起構築を有する.足細胞はボウマン腔と呼ばれる腔所に面していることから,走査電顕法によりその立体構造が解析されてきた.しかし,従来の走査電顕法による解析にはいくつかの限界があり,足細胞の正常構造,発生過程,病態変化の三次元的な理解は完全とは言えなかった.私どもはFIB-SEM法を足細胞の三次元構造解析に適用し,従来の方法では解析が困難であった多くの問題を解決できた.本講座では,FIB-SEM法で明らかにできた足細胞の立体構造を,正常状態,発生過程,病態変化という3つの観点から概説したい.
ISSN:1349-0958
2434-2386
DOI:10.11410/kenbikyo.51.3_165