5カ月にわたって自発性低下,髄膜脳炎,高度の全身炎症所見が持続し,脳生検にて確定診断された神経好中球病の1例

症例は66歳男性である.5カ月にわたって慢性髄膜脳炎,全身性炎症反応,左右交代性結膜炎を呈した.脳MRIで進行性の大脳皮質萎縮と多発性大脳白質病変,脳血流SPECTで大脳皮質の血流低下をみとめた.頭部C11-メチオニンPETで異常集積をみとめた右前頭葉の脳生検を施行した.病理所見ではくも膜下腔を中心に著明な好中球優位の炎症細胞浸潤があり,血管炎はみとめなかった.各種検査結果から感染症は否定的で,皮膚組織所見に異常なく,HLA typing(B51,54,Cw1)陰性であったが,神経好中球病と診断し,ステロイドが有効であった....

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 1; pp. 21 - 26
Main Authors 荒木, 信夫, 中里, 良彦, 大江, 康子, 石澤, 圭介, 出口, 一郎, 田村, 直俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.21

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Summary:症例は66歳男性である.5カ月にわたって慢性髄膜脳炎,全身性炎症反応,左右交代性結膜炎を呈した.脳MRIで進行性の大脳皮質萎縮と多発性大脳白質病変,脳血流SPECTで大脳皮質の血流低下をみとめた.頭部C11-メチオニンPETで異常集積をみとめた右前頭葉の脳生検を施行した.病理所見ではくも膜下腔を中心に著明な好中球優位の炎症細胞浸潤があり,血管炎はみとめなかった.各種検査結果から感染症は否定的で,皮膚組織所見に異常なく,HLA typing(B51,54,Cw1)陰性であったが,神経好中球病と診断し,ステロイドが有効であった.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.21