新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による緩和ケアに携わる管理栄養士の業務の変化

緩和ケアの対象となるがん患者は免疫力が低下しており、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)拡大下にあって特別な配慮が必要である。本研究は、緩和ケアに携わる管理栄養士を対象に COVID-19 拡大下の業務の変化を調査した。緩和ケア診療加算届出受理医療機関 509 施設に質問票を郵送し、324 施設(63.7%)より有効回答を得た。その結果、個別対応食の縮小を回答した施設は 3.4% に留まった。これは、既存の標準業務手順として院内感染対策や食品衛生管理が徹底されたことが功を奏したものと推察された。一方、COVID-19 拡大により、学生の臨地実習の受入制限は 233 施設(71.9%)...

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Published in東京家政学院大学紀要 Vol. 63; pp. 49 - 57
Main Authors 宮島, 美穂, 山﨑, 智子, 市倉, 加奈子, 城田, 直子, 西村, 美帆子, 竹内, 崇, 松島, 英介, 腰本, さおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東京家政学院大学 2023
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ISSN2186-1951
2434-7922
DOI10.32295/kaseigakuinkiyo.63.0_49

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Summary:緩和ケアの対象となるがん患者は免疫力が低下しており、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)拡大下にあって特別な配慮が必要である。本研究は、緩和ケアに携わる管理栄養士を対象に COVID-19 拡大下の業務の変化を調査した。緩和ケア診療加算届出受理医療機関 509 施設に質問票を郵送し、324 施設(63.7%)より有効回答を得た。その結果、個別対応食の縮小を回答した施設は 3.4% に留まった。これは、既存の標準業務手順として院内感染対策や食品衛生管理が徹底されたことが功を奏したものと推察された。一方、COVID-19 拡大により、学生の臨地実習の受入制限は 233 施設(71.9%)、管理栄養士のベッドサイドへの立ち入り制限は 163 施設(50.3%)、入院患者の栄養指導の自粛は 151 施設(46.6%)、外来患者の栄養食事指導の自粛は 136 施設(42.0%)から報告があり、既存の標準業務手順では対応が困難な業務があることが明らかとなった。今後、このような緊急事態に再び直面しても栄養管理業務を継続できる体制整備を進める必要がある。
ISSN:2186-1951
2434-7922
DOI:10.32295/kaseigakuinkiyo.63.0_49