鼻腔内におけるComputational Fluid Dynamics Simulation

鼻腔の形状には個体差がある。このような鼻腔形状の個体差は, そのまま鼻腔内における物質輸送現象, たとえばネビュライザーによる鼻腔内への薬液ミストの導入や呼吸に伴い吸引する微粒子・エアロゾルの輸送などに大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究では, 形状の異なる左右鼻腔空間内の物質輸送特性を定量的に明らかにすることを目的とし, 鼻中隔彎曲症・慢性副鼻腔炎・肥厚性鼻炎・下鼻甲介腫脹の患者CTデータから鼻腔の3次元幾何形状モデルを作成, 鼻腔内の数値流体力学解析 (CFD) を行った。その結果, 鼻中隔彎曲が鼻腔内の物質輸送特性に及ぼす影響が明らかになったとともに, ネビュライザー治療においては,...

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Published inJIBI INKOKA TEMBO Vol. 52; no. Supplement; pp. s24 - s29
Main Authors 中島, 務, 紋谷, 慎, 山本, 高久, 中田, 誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2009
Society of Oto-rhino-laryngology Tokyo
Subjects
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.52.s24

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Summary:鼻腔の形状には個体差がある。このような鼻腔形状の個体差は, そのまま鼻腔内における物質輸送現象, たとえばネビュライザーによる鼻腔内への薬液ミストの導入や呼吸に伴い吸引する微粒子・エアロゾルの輸送などに大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究では, 形状の異なる左右鼻腔空間内の物質輸送特性を定量的に明らかにすることを目的とし, 鼻中隔彎曲症・慢性副鼻腔炎・肥厚性鼻炎・下鼻甲介腫脹の患者CTデータから鼻腔の3次元幾何形状モデルを作成, 鼻腔内の数値流体力学解析 (CFD) を行った。その結果, 鼻中隔彎曲が鼻腔内の物質輸送特性に及ぼす影響が明らかになったとともに, ネビュライザー治療においては, その流入角度を操作することにより鼻腔内の物質輸送現象を制御できることが明らかになった。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.52.s24