黒毛和種子牛の末梢血単核球へのPolyinosinic-polycytidylic acid刺激に対する1α,25-dihydroxyvitamin D3の添加が腫瘍壊死因子α産生及び細胞生存率に及ぼす影響

• Published in: Journal of the Japan Veterinary Medical Association Vol. 78; no. 3; pp. e39 - e43
• Main Authors: 松浦, 竜道, 宇佐, 天舞音, 乙丸, 孝之介
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本獣医師会 2025; Japan Veterinary Medical Association
• Subjects: Japanese Black calf; peripheral blood mononuclear cells; vitamin D; ビタミンD; 末梢血単核球; 黒毛和種子牛
• ISSN: 0446-6454; 2186-0211
• DOI: 10.12935/jvma.78.e39

本研究の目的は，牛の末梢血単核球への1α,25-dihydroxyvitamin D3（活性型ビタミンD3）添加の影響を明らかにすることであった．健康な20頭の黒毛和種子牛より末梢血単核球（PBMC）を分離した．それぞれ得られたPBMCに対して無刺激あるいはpolyinosinic-polycytidylic acid（poly I:C）刺激し，活性型ビタミンD3を添加した群（ビタミンD群），添加しなかった群（対照群）にて培養した．その結果，培養上清中の腫瘍壊死因子αの濃度は，poly I:C刺激下において，ビタミンD群では対照群と比較し有意に低値であった（P＜0.05）．また，培養後の細胞生存率は，poly I:C刺激下において，ビタミンD群では対照群と比較し，有意に高値であった（P＜0.01）．これらのことから，牛のPBMCへの活性型ビタミンDの添加は，poly I:C刺激下において抗炎症作用並びに細胞生存率に影響を及ぼすことが伺えた．