乳児期早期に確定診断したPrader-Willi症候群の1女児例
症例は在胎36週で出生した女児である.胎児期から羊水過多を指摘され,生直後から重度の筋緊張低下があり,啼泣や体動はほとんど認められなかった.酸素投与は不要であったが,呼吸補助のため経鼻的陽圧換気を要した.また,嚥下運動がみられず,栄養管理は経鼻胃管を要した.本児はFloppy infantであり,当初は神経筋疾患が疑われた.人工呼吸器や経管栄養の離脱に時間を要したが,筋症状が緩徐に改善したことがPWSを鑑別する契機になった.遺伝学的検査ではDNAメチル化試験が本児の診断に有用で,時間経過とともに症状が改善したことに留意し,PWSを乳児期早期に確定診断できたと考えられた....
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Published in | 昭和学士会雑誌 Vol. 80; no. 6; pp. 557 - 562 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2187-719X 2188-529X |
DOI | 10.14930/jshowaunivsoc.80.557 |
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Summary: | 症例は在胎36週で出生した女児である.胎児期から羊水過多を指摘され,生直後から重度の筋緊張低下があり,啼泣や体動はほとんど認められなかった.酸素投与は不要であったが,呼吸補助のため経鼻的陽圧換気を要した.また,嚥下運動がみられず,栄養管理は経鼻胃管を要した.本児はFloppy infantであり,当初は神経筋疾患が疑われた.人工呼吸器や経管栄養の離脱に時間を要したが,筋症状が緩徐に改善したことがPWSを鑑別する契機になった.遺伝学的検査ではDNAメチル化試験が本児の診断に有用で,時間経過とともに症状が改善したことに留意し,PWSを乳児期早期に確定診断できたと考えられた. |
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ISSN: | 2187-719X 2188-529X |
DOI: | 10.14930/jshowaunivsoc.80.557 |