包括的呼吸リハビリテーション患者における栄養状態の重要性

【背景】呼吸器疾患において十分な栄養管理を行うことは重要だが,その有効性については十分に評価されていない.【方法】信州大学医学部附属病院呼吸器センター/呼吸ケアカンファレンスにて栄養評価した患者について,必要栄養量および実際の摂取栄養量を後方視的に検索し,臨床的背景と合わせて検討を行った.必要栄養量の計算にはHarris-Benedictの式を用いた.【結果】64例(69.4±14.0歳,男43/女21)において栄養状態の評価が行われていた.必要栄養量は1876.4±419.3 kcalだったが,実際の摂取栄養量は1353.5±476.4 kcalと不足していた(p<0.0001).摂取栄養量...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 279 - 283
Main Authors 塩原, まゆみ, 藤本, 圭作, 久保, 惠嗣, 高橋, 遥, 飯田, 英明, 丸山, 陽子, 横山, 俊樹, 田中, あかり, 宮城, 芳江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 2013
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.23.3_279

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Summary:【背景】呼吸器疾患において十分な栄養管理を行うことは重要だが,その有効性については十分に評価されていない.【方法】信州大学医学部附属病院呼吸器センター/呼吸ケアカンファレンスにて栄養評価した患者について,必要栄養量および実際の摂取栄養量を後方視的に検索し,臨床的背景と合わせて検討を行った.必要栄養量の計算にはHarris-Benedictの式を用いた.【結果】64例(69.4±14.0歳,男43/女21)において栄養状態の評価が行われていた.必要栄養量は1876.4±419.3 kcalだったが,実際の摂取栄養量は1353.5±476.4 kcalと不足していた(p<0.0001).摂取栄養量の到達率80%以上群(n=28)と80%以下群(n=36)とに分け比較をしたところ,80%以上群では入院期間が有意に短く,生存日数も有意に長かった.【考察】包括的呼吸ケアを行った患者において,栄養介入が必要だと考えられたが,一方で十分な介入が困難な症例も認められ,疾患や患者ごとの個別性が重要であると考えた.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.23.3_279