オンラインを活用した口腔顔面痛診療における遠隔診療連携

目的:現在,歯科におけるオンライン診療は一部保健収載も含め認められてはいるものの,未だ一般的とは言い難く,活用するに当たってはその限界と価値をよく認識する必要がある.今回,D to P with D方式でのオンライン診療を活用する事により,専門医の知見を得ながらの診療を経験したので報告するとともに,オンライン診療において特に考慮すべき事項についてまとめ,提示する. 材料と方法:かかりつけ医である主治医が3か月にわたり診察したものの,症状の改善が得られず,D to P with Doctor方式のオンライン診療に移行した症例を提示する.専門医にはかかりつけ医の情報を十分伝達した上で,リアルタイム...

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Published inJapanese Journal of Orofacial Pain Vol. 17; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 伏見, 詩音, 棚原, 樹夢, 和嶋, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔顔面痛学会 2025
Japanese Society of Orofacial Pain
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ISSN1883-308X
1882-9333
DOI10.11264/jjop.17.49

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Summary:目的:現在,歯科におけるオンライン診療は一部保健収載も含め認められてはいるものの,未だ一般的とは言い難く,活用するに当たってはその限界と価値をよく認識する必要がある.今回,D to P with D方式でのオンライン診療を活用する事により,専門医の知見を得ながらの診療を経験したので報告するとともに,オンライン診療において特に考慮すべき事項についてまとめ,提示する. 材料と方法:かかりつけ医である主治医が3か月にわたり診察したものの,症状の改善が得られず,D to P with Doctor方式のオンライン診療に移行した症例を提示する.専門医にはかかりつけ医の情報を十分伝達した上で,リアルタイムで指示・指導を仰いだ.専門医の指導のもと,2か月の治療のち,症状改善が得られ治療終了とした. 考察:オンライン診療においては,対面診療に比して情報が不足する欠点を補う必要がある.本症例においては,初診からの対面診療を経て,専門医へ十分な情報伝達が可能であったこと,またかかる期間は医療者患者関係を確立する上で不可欠であった.D to P with Doctorの診療形態において専門医・かかりつけ医・患者それぞれに利点・欠点があり,それらをよく整理した上で,診療に活かす事が肝要である. 結論:オンライン診療の活用にあたっては考慮すべき点があるものの,歯科においても多くメリットを享受する事が可能である.患者においては元より,専門医の診療を学ぶ事は医師にとってもオンライン診療の大きなメリットである.
ISSN:1883-308X
1882-9333
DOI:10.11264/jjop.17.49