地域在住高齢者を対象とした慣性センサを用いた歩行中の膝不安定性評価モデルの構築

膝の不安定性は変形性膝関節症の進行に関わるため歩行観察評価の着目点である.本研究では地域でも利用可能な客観的な膝不安定性評価のためのシステム構築を目指し,歩行中の膝不安定性に関連する特徴量を明らかにすること,および観察評価に対する推定モデルの構築を目的とした.高齢者 70名(71.2 ± 6.6歳)を対象に,歩行中の下肢の加速度と角速度を計測し,不安定性については理学療法士の観察による 5段階評価を実施した.結果より膝不安定性の増大には,膝上左右加速度の増大,膝上鉛直方向加速度の減少,膝下の進行方向軸周りの角速度増大が関連していた.交差検証にて作成されたモデルはいずれも上記 3つの指標を選択し...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 45; no. 4; pp. 251 - 258
Main Authors 浅野, 春菜, 太田, 裕治, 才脇, 直樹, 中嶋, 香奈子, 児玉, 美幸, 小林, 吉之, 安在, 絵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2021
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.45.4_251

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Summary:膝の不安定性は変形性膝関節症の進行に関わるため歩行観察評価の着目点である.本研究では地域でも利用可能な客観的な膝不安定性評価のためのシステム構築を目指し,歩行中の膝不安定性に関連する特徴量を明らかにすること,および観察評価に対する推定モデルの構築を目的とした.高齢者 70名(71.2 ± 6.6歳)を対象に,歩行中の下肢の加速度と角速度を計測し,不安定性については理学療法士の観察による 5段階評価を実施した.結果より膝不安定性の増大には,膝上左右加速度の増大,膝上鉛直方向加速度の減少,膝下の進行方向軸周りの角速度増大が関連していた.交差検証にて作成されたモデルはいずれも上記 3つの指標を選択しており,膝不安定性の評価に貢献する可能性が示された.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.45.4_251