線状局所冷却による心臓旋回性興奮制御ex vivo実験に向けた冷却システムの構築

心室頻拍や心室細動といった致死性心室性不整脈の原因として,心臓内に発生する旋回性の電気的興奮波(Spiral Wave: SW)が知られている.これまで我々はコンピュータシミュレーション上で,SWの中心点である旋回中心と組織境界を接続するような線状の局所冷却を行うことでSWが停止する可能性を示した.本研究では,動物標本を用いたex vivo実験において,線状局所冷却によるSW停止を確認することを目的として,心臓の興奮様態を光学計測すると同時に,心臓表面の局所冷却が可能な局所冷却システムを構築した.冷却性能評価のため,アクリルアミドゲル製の生体ファントムに対して模擬的な冷却実験を行い,そのときの...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S235_1
Main Authors 佐久間, 一郎, 富井, 直輝, 山崎, 正俊, 本荘, 晴朗, 瀬野, 宏, 柴田, 仁太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S235_1

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Summary:心室頻拍や心室細動といった致死性心室性不整脈の原因として,心臓内に発生する旋回性の電気的興奮波(Spiral Wave: SW)が知られている.これまで我々はコンピュータシミュレーション上で,SWの中心点である旋回中心と組織境界を接続するような線状の局所冷却を行うことでSWが停止する可能性を示した.本研究では,動物標本を用いたex vivo実験において,線状局所冷却によるSW停止を確認することを目的として,心臓の興奮様態を光学計測すると同時に,心臓表面の局所冷却が可能な局所冷却システムを構築した.冷却性能評価のため,アクリルアミドゲル製の生体ファントムに対して模擬的な冷却実験を行い,そのときの温度変化を熱電対及び感温液晶で計測した結果,構築した局所冷却システムは,冷却開始から10秒間で4℃程度の冷却が可能であり,また約幅8 mmの局所的な冷却が可能であることがわかった.以上の結果から,構築した局所冷却システムによって,ウサギ心臓標本に対して妥当な冷却速度で局所的な冷却が可能であると考えられる.本発表では,実際にウサギ心臓標本に対して局所冷却を試行した結果についても報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S235_1