再生医療の歴史と今後の展望

脊髄損傷に対する細胞治療が臨床現場で検討される段階となり、再生医療に対する期待が高まっている。同時に各細胞治療方法の差異を理解することが困難な状態で脊髄損傷者に治療の説明を迫られる場面も想定される。本稿では脊髄損傷に対する細胞治療の変遷の中で現在臨床応用されている細胞治療を位置付ける。細胞の採取部位が患者自身であるか他者であるか、投与経路が損傷部への直接投与か静脈内などの間接投与か、そして多分化能を持つ幹細胞投与か特定の細胞投与か、などの軸を理解することで各治療の特徴を整理することができる。再生医療の臨床応用を機に脊髄損傷医療が発展するためにも各医療者が再生医療を理解することが求められている。...

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Bibliographic Details
Published inPOアカデミージャーナル Vol. 29; no. 1; pp. 2 - 6
Main Author 緒方, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本義肢装具士協会 2021
The Japanese Academy of Prosthetists and Orthotists
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ISSN0919-8776
2434-4060
DOI10.32193/jjapo.29.1_2

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Summary:脊髄損傷に対する細胞治療が臨床現場で検討される段階となり、再生医療に対する期待が高まっている。同時に各細胞治療方法の差異を理解することが困難な状態で脊髄損傷者に治療の説明を迫られる場面も想定される。本稿では脊髄損傷に対する細胞治療の変遷の中で現在臨床応用されている細胞治療を位置付ける。細胞の採取部位が患者自身であるか他者であるか、投与経路が損傷部への直接投与か静脈内などの間接投与か、そして多分化能を持つ幹細胞投与か特定の細胞投与か、などの軸を理解することで各治療の特徴を整理することができる。再生医療の臨床応用を機に脊髄損傷医療が発展するためにも各医療者が再生医療を理解することが求められている。
ISSN:0919-8776
2434-4060
DOI:10.32193/jjapo.29.1_2