気管支喘息患者に対する看護師による吸入指導の効果

気管支喘息は,気道炎症,気道過敏性の亢進,可逆性の気道閉塞を特徴とする慢性疾患である.気管支喘息の治療では気道炎症をコントロールすることが最も重要であり,標準治療として吸入ステロイド薬が用いられる.しかし気管支喘息患者の中には,病態理解が不十分なために,吸入ステロイド薬に対する誤った認識を持ち,自己判断で吸入を中止してしまう患者が存在する.当院では看護師が吸入指導を行うことにより,患者の病態に対する理解度,標準治療と治療継続の必要性に対する理解度の改善を認めた.また初回指導後6ヶ月~12ヶ月を経過すると,吸入アドヒアランスには問題なくても,気管支喘息理解度の低下が見られることから,定期的な吸入...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 101 - 107
Main Authors 鈴木, 雅文, 青木, 康弘, 須賀, 達夫, 原, 史郎, 松田, 智恵, 前野, 敏孝, 中井, 晶子, 倉林, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 30.04.2016
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.26.1_101

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Summary:気管支喘息は,気道炎症,気道過敏性の亢進,可逆性の気道閉塞を特徴とする慢性疾患である.気管支喘息の治療では気道炎症をコントロールすることが最も重要であり,標準治療として吸入ステロイド薬が用いられる.しかし気管支喘息患者の中には,病態理解が不十分なために,吸入ステロイド薬に対する誤った認識を持ち,自己判断で吸入を中止してしまう患者が存在する.当院では看護師が吸入指導を行うことにより,患者の病態に対する理解度,標準治療と治療継続の必要性に対する理解度の改善を認めた.また初回指導後6ヶ月~12ヶ月を経過すると,吸入アドヒアランスには問題なくても,気管支喘息理解度の低下が見られることから,定期的な吸入指導の継続が必要と考えられた.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.26.1_101