先天性小児脳神経外科疾患の遺伝学的診断

先天性小児脳神経外科疾患は希少疾患が多く, 診断に苦慮する場合がある. 診断確定の1つの方法として, 遺伝学的検査がある. 次世代シーケンサーの普及により遺伝子の網羅的検査が可能となり, 遺伝性疾患の診断率が向上してきた. 2012年から2022年に当科で遺伝学的検査を行ったのは72例, 診断率は59.7%であった. 検査法としては次世代シーケンサーが37件と最も多かった. 遺伝学的診断は正確な予後予測や治療選択を可能とするため, 最新の知識をアップデートして診療に活用する必要がある. 一方で, 親や同胞の診断や次子の出生前診断にもつながるため, 正確な知識に基づいた遺伝カウンセリングが必須で...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 33; no. 5; pp. 331 - 338
Main Authors 金村, 米博, 四本, 由郁, 原田, 敦子, 玉置, 知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2024
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.33.331

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Summary:先天性小児脳神経外科疾患は希少疾患が多く, 診断に苦慮する場合がある. 診断確定の1つの方法として, 遺伝学的検査がある. 次世代シーケンサーの普及により遺伝子の網羅的検査が可能となり, 遺伝性疾患の診断率が向上してきた. 2012年から2022年に当科で遺伝学的検査を行ったのは72例, 診断率は59.7%であった. 検査法としては次世代シーケンサーが37件と最も多かった. 遺伝学的診断は正確な予後予測や治療選択を可能とするため, 最新の知識をアップデートして診療に活用する必要がある. 一方で, 親や同胞の診断や次子の出生前診断にもつながるため, 正確な知識に基づいた遺伝カウンセリングが必須である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.33.331