体幹の前後傾が歩行動作に及ぼす影響に関するバイオメカニクス的研究

本研究の目的は,体幹の傾斜が歩行動作に及ぼす影響をバイオメカニクス的に分析することである.健常成人に異なる体幹の傾斜(固有,体幹前傾10°,体幹後傾10°)で歩行させ,3 次元自動動作分析装置を用いて動作を計測するとともに,フォースプラットフォームを用いて地面反力を計測した.体幹前傾および後傾歩行では,姿勢変化による身体重心位置の変化に対応するための下肢の代償運動が見られた.また,固有歩行に比べると,体幹前傾歩行では立脚期前半で体幹の前傾姿勢を保持しながら支持脚を後方へスイングするため,股関節伸展トルクが大きく,体幹後傾歩行では立脚期後半で体幹の後傾姿勢を保持するため,股関節屈曲トルクが大きく...

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Bibliographic Details
Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 34; no. 4; pp. 325 - 332
Main Authors 佐久間, 亨, 阿江, 通良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2010
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.34.325

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Summary:本研究の目的は,体幹の傾斜が歩行動作に及ぼす影響をバイオメカニクス的に分析することである.健常成人に異なる体幹の傾斜(固有,体幹前傾10°,体幹後傾10°)で歩行させ,3 次元自動動作分析装置を用いて動作を計測するとともに,フォースプラットフォームを用いて地面反力を計測した.体幹前傾および後傾歩行では,姿勢変化による身体重心位置の変化に対応するための下肢の代償運動が見られた.また,固有歩行に比べると,体幹前傾歩行では立脚期前半で体幹の前傾姿勢を保持しながら支持脚を後方へスイングするため,股関節伸展トルクが大きく,体幹後傾歩行では立脚期後半で体幹の後傾姿勢を保持するため,股関節屈曲トルクが大きくなっていた.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.34.325