在宅精神保健活動としてのアウトリーチの実践と保健医療社会学の視座

精神保健医療領域では心理社会的介入の有用性が確立しつつあり、有益な知見を精神保健専門職者が利用可能になった。一方で、地域でACTなどの有効性が確立された支援を行うチームは少なく、社会階層やリテラシーが低い層での援助希求行動の低下を考慮する必要があるため、地域および在宅での訪問支援には一定の工夫が必要であることが判明してきている。そこで、筆者がチーム管理者として近年取り組んだ、超職種チームによる訪問支援の取り組みである、厚生労働省によるモデル事業「アウトリーチ推進事業」への参加経験を紹介することとする。本稿では訪問支援によって精神的困難による生活のしづらさから回復しつつある例を紹介するとともに、...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in保健医療社会学論集 Vol. 26; no. 1; pp. 25 - 30
Main Author 安保, 寛明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1343-0203
2189-8642
DOI10.18918/jshms.26.1_25

Cover

More Information
Summary:精神保健医療領域では心理社会的介入の有用性が確立しつつあり、有益な知見を精神保健専門職者が利用可能になった。一方で、地域でACTなどの有効性が確立された支援を行うチームは少なく、社会階層やリテラシーが低い層での援助希求行動の低下を考慮する必要があるため、地域および在宅での訪問支援には一定の工夫が必要であることが判明してきている。そこで、筆者がチーム管理者として近年取り組んだ、超職種チームによる訪問支援の取り組みである、厚生労働省によるモデル事業「アウトリーチ推進事業」への参加経験を紹介することとする。本稿では訪問支援によって精神的困難による生活のしづらさから回復しつつある例を紹介するとともに、アウトリーチチームで活躍した複数名のピアスタッフの存在と意義を紹介する。保健医療社会学でも重視されるリカバリーおよびストレングスモデルによる実践への貢献について述べる。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.26.1_25